漢方薬と他の医薬品の違いを知っておこう

日本では漢方薬と他の医薬品が患者の疾患や状態などに応じて臨機応変に利用されています。看護師は漢方薬を使う治療が他の医薬品を使用する治療とは違うことを理解しておくことが重要です。違いを意識して患者に対応することで、特に漢方で治療を進めているときに治療効果が出やすくなる可能性があります。看護師の貢献によって医療の質や患者の満足度が変わると期待できる部分なので積極的に取り組むと良いポイントでしょう。

一般的な医薬品はエビデンスに基づいて特定の疾患に対する治療効果があることが示されています。臨床試験に基づいて有効性が確認されていて、その際の用量用法に従って投与することで治療効果を期待できるのが特徴です。しかし、漢方薬は病気の治療効果についてエビデンスがあることはあまりありません。古くから治療に利用されてきたという根拠に基づいて、適応が考えられています。特定の症状を抑制するといったエビデンスがある成分が含まれていることもありますが、他にも多数の成分が含まれているので総体としてどのような効果を示すかという考え方で投与するのが漢方の特色です。

漢方はその総合効果として患者の体質改善を目指す治療になります。血圧が高い人が低くなるように体質改善を進めたり、消化器系が弱い人が強くなるように改善を目指したりする際に有用なのが漢方薬です。生活習慣の見直しなども並行しておこなう必要性が高いため、看護師によるアドバイスが治療効果を高められる可能性があるのです。そのため、看護師は東洋医学に基づいた漢方治療の基礎知識についても、ある程度知っておく必要があるでしょう。